初めましての方は初めまして。今年のアドカレ24日目を担当致しますGyi(ギーまたはギーグ)と申します。MOTHERというゲームに登場するラスボスの名前Gyiygから拝借してます。呼びやすい方で覚えて頂ければ幸いです。
アドベントカレンダーとは何ぞや?って方はこちらをご覧ください。12月の1日から25日まで昼と夜の2回に分けて全50記事を紹介してく企画となっています。
今回示したい内容は主に二つです。まず一つは軽いデッキ紹介(自己紹介)、そして二つ目となる本題はオフ会のパワーラインについてです。デッキ紹介はどういう目線から二つ目の主題を語ってるかというのを客観的に判断しやすい材料かなという建前の元に行われる無駄な自己紹介です。具体的な動きやレシピというものはなくいずれも中身のある内容では無いのでご了承下さい。対戦時のネタバレを避ける為です。(嘘です。まだ開発途中で見せられるものになって無いだけです。)
さて、前置きはこのぐらいにして自己紹介を始めましょう。
デッキ紹介ならびに真・自己紹介
名前を名乗っただけでその人の人となりは判断できるものではありません。決闘者ならデッキが名刺代わり。「私はこういう者です。」と名乗るならお気に入りのカードとデッキを見せ付けるのが全てです。かく言う私にもマイフェイバリットカードなるものがあります。
それがこの2体のモンスター《氷岩魔獣》と《灼岩魔獣》です。こちらは
2021年に発売された新パックで登場した強力なモンスター......ではなく、太古のカードパック『ユニオンの降臨』から収録された初代ユニオンモンスターです。知らない方の為にユニオンとして装備した際の恐ろしい効果を説明してあげましょう。こいつらは互いを名称指定し合う相互ユニオンモンスターで、装備した際に相手に戦闘ダメージを与えた場合、表または裏の魔法罠カードを一枚割る効果となっています。例えば《氷岩魔獣》を装備した状態の《灼岩魔獣》が殴ってダメージを与えるとセットカードを1枚割れます。
どうです?恐ろしい効果でしょう。
はい、茶番はこれぐらいにして現実というのを見ていきましょう。まずこいつらを揃えて装備して殴る、これだけでもデッキとしてはかなりのカロリーを消費します。ユニオンモンスターをサーチするカードとして代表的なのは二つあります。
《マシンナーズ・ピースキーパー》と《B-バスター・ドレイク》です。ピースキーパーは知らなくてもBの方は知ってる方も多いのではないでしょうか。そう、かつて環境を支配していたこともあった《ABC-ドラゴン・バスター》のパーツの1つです。
この二体テキストを読み比べるまでもありませんが、《B-バスタードレイク》の方が圧倒的に強いです。諸々のタイミングを全く逃さず、最終的にはABCという強力モンスターへと繋がり、繰り返し使用できる。素のステータスでも既に氷岩・灼岩を上回っており...ん...?
そう...勘の良い餓鬼方々なら既に察してると思いますが、Bの方はあまりにも強力過ぎて主役が霞んでしまうんですよね。ABCなんて出そうもんならもう...ね...はい...
という訳で私はBの方は使わず、ピースキーパーを軸にデッキを組んでいます。というか目下試行錯誤中です。マニアックな内容なので詳しい動きの説明は省きたいと思いますが、氷灼を揃え、コンビネーション・アタックを決めるという一番やりたかったことをやる為にこれ以上のデッキは無いと自負しています。(というかそもそも氷岩灼岩について考えてる人口がそもそも少ないので、井の中の大将なのですけども...)
実戦で決める事が出来たらまた改めて詳しい紹介記事を書きたいと思いますが、興味のある方・デッキ相談に乗って頂ける方などがおりましたらTwitterへDMください。(パクッて先に決めたりしたら殺しに行きます)
本日の主題 パワーラインについて
さて、長い前置きはこのぐらいにして本題に入りましょうか。皆さんはオフ会などで対戦相手とのパワーラインの差に苦しんだ経験はありませんか?
- 図らずも相手を轢き殺してしまった
- 何も出来ず、ただただ相手が動くのを眺めていた
- ようやく同じラインで闘う相手が見つかったが、その頃にはもう時間が無かった
私はあります。全部あります。ひとえにカジュアル環境と言ってもその強さの基準は様々です。
逆に皆さんが一番思い出に残ってる決闘はなんですか?
- お気に入りのカードで相手を轢き殺した時でしょうか?
- 相手がコンボを決めるのをただただ眺めてる時でしょうか?
- 試合内容が酷くても有名な方と闘う事が出来た時でしょうか?
凄く意地悪で無意味な選択肢でした...すみません。分かりきった答えを提示されること程面白く無いものはありません。ごめんなさい...
ただ、これから話すのは実際に私自身が体験しそして実感したことです。相手を轢き殺しても楽しくは無い。喩え、それがどんなにお気に入りのカードであっても...
え?そもそも氷岩灼岩なんかで相手を轢き殺せる訳が無い?「フカシこいてんじゃねーぞ!」ですって?...そうなんですよね...どっちかというと殺される事が多いです
~閑話~ (飛ばして結構です)
ですが今から6年前、2015年の末頃、ABCという化け物が登場するほんの少し前に私はその数少ない経験をしました。当時の私は氷灼でどうにか周りに追い付こうと必死でした。初めてオフ会で氷灼を使うも鳴かず飛ばず、勝ち負け以前の問題でそもそも周りとはデッキの質が違いました。皆はとてもおしゃれなコンボを決めていて、完成度が高いデッキを持っていて、それなのに自分はこいつらで満足に闘えないデッキである以前に、決闘者としてのスキルが未熟でした(今でもそれは変わっていませんが...)
それでも必死になって喰らい付こうとした結果生まれたのが『音響戦士』とピースキーパーを軸にした『音響氷灼』というデッキでした。細かい動きは省きますが、当時は「音響使えば何でも出来る」と言われた時代だったのもあり、自分が普段使ってるデッキとは一線を画す強さを誇っていました。新弾で出たばかりの幻影騎士団にも勝ったことがあり、本当にこのデッキは氷岩灼岩なのかと疑う程でした。
~閑話休題~
さて、何の話でしたっけ?...ああ、一番想い出に残った決闘は何か?って話でしたっけ?あれは確か5年前...いや6年前の冬頃だったでしょうか...当時の私は開発したばかりのデッキを誰かに見て貰いたくて見て貰いたくて仕方ありませんでした。それは私が長年使いたくて仕方なかったカード達で、どうにかしてこいつらが輝く瞬間を作りたい、そう思って組んだデッキでした。自分のお気に入りのカードで勝つ事が何よりの喜びだと、相手もそれを見たい筈だと思い込んでいました。
ですが、実際やってみると何かが違う。デッキは思うように回ってました。動きの独自性を見せることも出来ました。お気に入りのカードで勝つ事も出来ました。でも何か違いました。自分が求めていたものとは何かが違ったのです。
それは相手のデッキとの対話でした。自分が組んだそのデッキはその相手よりも速度が速かったのです。相手も非常に感心してくれていたものの、これ以上まともに相手できなくて申し訳ないという雰囲気が漂ってました。
このままではいけないと思った自分は、他の対戦者が空く前に急いでスリーブを詰め替えて研究の副産物で出来たもう一つのデッキをなんとか使えるようにして再戦を望みました。そしてその時の試合が一番楽しくて後に自分の中では想い出に残るものとなったのです。
それは一番のお気に入りのカードを使った訳でも、勝った試合でもありませんでした。でも相手と拮抗し、せめぎ合い、予想外の事が起き、最終的に相手の戦術を防ぎきれなくて負けた試合でした。それが本当に楽しくて楽しくて、所々を思い出すと今でもその楽しさが蘇って来るほどです。(まあ実は思い出補正で美化されてるのかも知れませんが...)
長くなりましたが、私がまずここで伝えたいのは
「お気に入りのカードで勝つ事」よりも「相手と拮抗した勝負をする方が楽しい」ということです。勿論、「お気に入りのカードで相手と拮抗した勝負をする」というのが最上位にあることは当然ですが、その下でどちらが楽しさとして優先されるかを比べた際には「拮抗する勝負」の方が上だという事です。(個人差はあると思います。というかこれは私個人の経験でしか無いので、こんなありきたりで稚拙な文章では全く状況が分からないとは思いますが...)
強さの異なるデッキを複数持つという事に関して
さて、結論の前の『まず』という言葉に引っ掛かった方がどれほど居るかは分かりませんが、このブログ記事まだまだ続きます。飽きて来た方は遠慮なくブラウザバックをしてください。まるで中身が無い自論展開が続きます。
相手とのパワーラインを合わせる為にという事で良く聞くのが「パワーが異なるデッキを複数用意してる」というものです。実際、自分もこれでなんとか助かりましたし、現時点で他に個人で出来る事は無いと思います。
ですが、本当にこれで問題は解決するのでしょうか?実はこれにもまだ問題点があります。
- そもそもまず闘ってみないと分からないこと
- 相手と自分の強さの基準がある程度似通ってないと成立しないこと
一つ目の問題点は時間が足りなくなり易いという事です。オフ会の時間は限られており、またデュエルしてると本当あっという間に経ちます。午前に始まったのに気付いたら昼を食べるのも忘れ、気付いたら夜になってたりします。その貴重な時間の内、最初の一戦を相手とのパワーラインを測る事に使わねばならないのは実は大変効率が悪い事ではないでしょうか?
問題点の二つ目としてはそもそも相手の持ってるデッキとはパワーラインが合うはずも無かったという悲しい結末が待ってる場合を捨て切れない事です。
オフ会というのはこのように人と人が無数に点在する中で、左のように上手く合えば良し、右のように合わなければ時間を無駄にしたことになります。一重に強い方・弱い方と言っても人とその属する環境により振れ幅が全く違います。極端な話、自分にとって一番強いデッキが相手にとっては一番弱いデッキかも知れません。
遊戯王はそれらが最も起きやすいカードゲームである
ちょっと盛ってる部分はあります。というのも私は他のカードゲームをあまり知らないからです。ただ一つ、他のカードゲームとは明確に違う事があると思います。それは遊戯王は「存在するカード全てがスタン落ちすることなく使える」という事です。これは実に素晴らしい美点であり、同時に上述した危うさを大いに含んでる要因になってると言えるでしょう。
当たり前の話ですが、出た時期でもそもそもカード一枚一枚のパワーが違います。それらのカードをどのように採用するかが完全に個人の判断に委ねられてる訳です。結果的にそれらはオリジナリティのあるデッキを組むには良いルールであると言えますが、互いにパワーラインをすり合わせるという事に関してはあまりにも自由過ぎて、個人の良識に頼り過ぎてやしないか?その結果行われる明らかなアド差の試合展開になりやすいのではないか?と思うのです。(今に始まった事ではないのかも知れませんけども...)
「動画をみてください」というのは基準としてどこまで果たしてるのか
良く動画配信者主催のオフ会の注意点には「大会等の練習の場ではありません。具体的なパワーラインは当動画をご覧ください」という項目があります。一見これは分かり易く思います。しかし、よくよく考えてみれば複数のプレイヤーが撮影に参加しており、その中でもパワーの差はあったりします。そしてその中で自分に合った人を集中的に見ているなんて事も少なくないのではないでしょうか。例えばプロテニスプレイヤーから博物館まで運営してる動画なんかもありますよね。
そう、「面白い」という一点を除いて複数のラインを敷いているのが投稿動画だと思うのです。「パワーラインはそれぞれ、大事なのは面白さ」と断言するのは過言かも知れませんが、パワーラインの基準として観るとしてもそもそも動画の量が多くてそれぞれどれを参考にして来たのかが別れてしまう可能性はあります。全く基準が無いより全然マシだとは思いますが、それでも強さに差が出てしまうという懸念は防げないのです。
現状、遊戯王に明確な基準は1つしかない
遊戯王で遊ぶ場合において、誰しもが従わなければならないもの、それは禁止制限(リミットレギュレーション)です。しかしこの規則は公式・非公式で行われる大会環境以外、自由な構築を旨とするカジュアル界隈を考慮した規則ではそもそも無いと思います。
例えば、近い話で言えば新しく禁止指定される《フュージョン・デステニー》というカードがありますよね。その内容をめぐってTwitterでも様々な意見を目にしました。
- これならデストロイ・フェニックスガイをカジュアルで使っても許されるかな?
- デスフェニのせいでファンデッキ向けのフュージョン・デステニーがとばっちりを食らうのはおかしいし、D-HEROファンもそんなことは望んでないだろ!
- そもそもデスフェニはあまり好きではないから使わない
同じカード一枚二枚に対してもこれだけ割れた意見があります。私はどちらかというと自分自身の中でより厳しい禁止制限を独自に設け、相手が使う分には構わないけど自分は理由が無ければなるべく使わないというスタンスをとっています。余程の理由というのは強いから入れるではなく、何かのコンボにどうしても必要だからとかですかね。
結論、そして理想論へ
これから語るのはあくまでも無責任な妄想です。その為の土台や何をすべきかとかいうのは一切考慮していません。前置きしたように自分は氷岩灼岩に狂ってるただの妄想決闘者過ぎないので...
パワーラインによるクラス分け
以前どこかの呟きか何かで見たのですが「遊戯王にも格闘技のような階級分けをすべきでは」という意見がありました。私はこの意見にまず賛成です。というのもこれだけカードプールで目指すところが違う、自分なんかの場合は「ABCを敢えて使わず氷岩灼岩が活きるデッキ」というのを目指してる訳です。
基本セットエンドでターンを返す闘いもあれば、序盤から大型モンスターを展開し合い、妨害を越えてまくり合うことを旨とする闘いもあります。人それぞれ好きな遊戯王というのは異なります。そのどちらか一方が間違ってるのではなく、大事なのはこれらのミスマッチが起こらないように事前に棲み分けを行うことだと思うのです。
例えば「自分はセットエンドで闘います」って人は赤いタグを、「序盤から妨害を突破して返し合う闘いをする準備があります」って方は青いタグをそれぞれ手首などに付ける決まりになっていればそれだけでかなり防げる上に、より好みの相手を見つけやすくなるのではないかなと思います。時間短縮にもなり、より良いデュエルが増える一つの工夫になるのではないでしょうか。
縦の分断と横の繋がり
パワーラインによる分断はデュエリストを分け隔てるだけではないと私は思っています。むしろ今まで見えなかった繋がりを明確にするものになるのではないでしょうか。
どっかの国旗みたいな図が出て来ましたが、これは私が好むアニメ『遊戯王GX』から拝借したクラス名で強さを分けた図です。上に行くほど強く、下に行くほど弱く、左右の違いはどのようなデッキを組んでるのかを分類しています。
増えるのはこの横の繋がりです。例えばの話、同じ言葉で「青眼デッキを使う」と言ってもその強さの基準は様々です。カイバーマンが出てくるデッキもあれば、後攻1ターン目からカオスマックスが殴って来るデッキも大きなカテゴリでの呼び方は同じ【青眼デッキ】です。キャラデッキにしても新規で強化されてるテーマと公式に忘れられてるテーマでは強さが全く違います。
これはどの界隈にも当てはまります。逆に言えばパワーラインさえ一致してしまえば界隈を隔てていても面白いデュエルが出来るのではないかなと思うのです。私は常々「アニメに1話完結で登場する『主人公勢をギリギリまで追い詰める敵役』に成りたい」という妄想を抱いておりますが、例えばマイナーデッキに属する自分でも同じクラス帯のキャラデッキ使いと闘えればそれが実現するのではないかと思う次第です。
またもう一つメリットを挙げるとするなら「ついて行けなくなる」という事が多少減るのではないかなと予想しています。少なくともこのクラス帯はこういう闘いをするんだという約束事が決まって入れば、カードプールの更新に伴うパワーの上昇幅も緩やかになり、以前使っていたデッキがまるで通用しなくなる、という事態が発生しづらいのではないかなと。
この問題は遊戯王に限らず、コンテンツから人が離れる大きな要因を占めています。新しいものにどんどん楽しく適応出来る人も居れば、かつて気に入っていたものが失われ出て行ってしまう人も少なくはありません。適度に変化しつつも居場所を奪わない、そんな世界が必要なのではないかなと私は思います。
終わりに
冗長になってしまい、またクリスマスに相応しい内容では全くなくて申し訳ございません。そろそろネタ切れなのでこの辺で終わりたいと思います。
世界にはまだまだ未知のデュエルがあります。オフ会というのはそのまだ見ぬデュエリスト達と出会える場所です。自分のデッキを新しく知って貰える場です。そして新しい仲間を見つける場です。私もいつかこの氷岩灼岩でも思い出に残るデュエルがしたくてデッキを組んでいます。自己都合になるのかも知れませんが、その為には同じようなパワーラインで闘う相手が必要です。そして自分がどこに行けば良いのか、どういう闘いが心地良いのか、その為に何をすれば良いのか。それらがもっと明確になればより良い出会いが待ってるかもしれません。
その可能性を増やし、また逆にトラウマを植え付けられる可能性を減らす為に出来る事はあるのではないかと思い、無責任な提案記事を書かせて頂きました。
次のバトンは
ハチミツさんです。ご期待ください。では私はこの辺で。皆さん良いクリスマスを...(私は仕事です)